スポーツエリート
スポーツの分野でも、親の英才教育によって小さい頃から専門的に育てられたいわゆる「スポーツエリート」も見られるが、これはどちらかというと、個人がそのように選択し、望んでより良い環境を求めて育ってきた反面、当人の資質に負う所も大きく、個人属性としての「優秀なスポーツマン」と見なされる事は在っても、厳密な意味でのスポーツエリートは極めて稀な存在といえよう。
ただし以前の旧共産・社会主義圏においては、稀というわけではなかった。1980年代頃まで、東西冷戦時下の関係により、国威発揚と民主・自由経済陣営に対する牽制の一種として、国家がスポンサーに付いていたり、専門の教育機関で育てられた選手集団が存在したので、これらは実際の所として「スポーツエリート」以外の何者でもなかった。 これら旧共産・社会主義圏のスポーツエリート達は、国家単位でそれなりに優遇(年金の受給を含む社会保障制度や、一般には認められ難い海外渡航がしやすい等)されていたが、その一方で生活の細部までもを徹底的に「スポーツで良い成績を残すため」だけに管理され、恋愛や結婚もままならなかったという。中には非社会主義圏へと亡命するスポーツエリートまで見られた(ナディア・コマネチはその亡命スポーツエリートの一人である。ただし亡命は引退後なので、「元エリート」である)。
関連項目: 受験 家庭教師