教育長
教育長とは、教育委員会の事務の執行責任者であって同時に委員会を構成する教育委員の一人。なお、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地方教育行政組織運営法)第12条により、教育長以外の教育委員会委員から教育委員会で選挙する、教育委員会の会議の主宰者であり、教育委員会の代表者である教育委員会委員長とは別の役職である。これは歴史的に、制度的に教育委員会が作られた後に教育長が作られた名残りである(後述)。
教育長については地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地方教育行政組織運営法)で規定されている。教育長は、教育委員会におかれ(第16条)、教育委員会の指揮監督の下に、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどる(第17条)とされている。また、教育委員会の事務局について事務局の事務を統括し、所属の職員を指揮監督する(第20条)。
このため、通例、教育長は教育委員会の事務局の長となる。また教育長は、教育公務員特例法の第2条によって教育公務員であり、一般職の地方公務員として服務規律が適用されるとされている。しかし実際は特別職に準じた待遇としている自治体が多い。
1999年の地方分権一括法により、都道府県、市町村ともに、教育長は、当該自治体の首長によって任命された教育委員(委員長を除く)のうちから、教育委員会によって選任される。(市町村における教育委員会委員長と教育長との兼任が禁止された)任期は教育委員としての任期をもって教育長の任期となっている。
ただ、教育長候補者としての教育委員は予め首長により特定されているため、実態としては首長が選任権を有している。
地方分権一括法施行以前は、1956年の地方教育行政法によって、都道府県においては、教育委員会議において教育長を任命し、文部科学大臣が承認することとなっていた。この背景には、思想的な対立で教育委員会が混乱した対策という意味あいがあった。市町村においては、教育委員会議において教育委員のうちから教育長を任命し、都道府県の教育委員会が承認することとしていた。一括法により、国又は都道府県の承認を経る手続きが必要なくなった。ただし、首長に選任権があるという実態には変わりはない。
関連項目: 受験 家庭教師