先生という呼称の拡大
先生とはもともと、教える人の呼称であるから、学校の場面で使われるのが基本である。それが他の場面に広がってきた理由は次のようなことが考えられる。
政治家には政治家から教えを請う書生や、秘書がいた。彼らは政治家を先生と呼んだ。
看護師教育は古くは医者が行っていたので、看護師は医者を先生と呼んだ。
弁護士事務所には、事務所の仕事をしながら司法試験を目指す若者が多くいて、弁護士に教えを請うていたため弁護士を先生とよんだ。
上記の場合は、教える人を先生と呼び、一般にも広がっていった。
漫画家は編集者に作品を渡す、かれらは漫画家を先生と呼ぶ。
この場合は、「新しい(先立って)作品を作り出す(生み出す)」ことから先生と呼び、一般にも広がっていった。
以上の場合ではなくても社会的地位向上のため、先生と同業者の間で呼び合うなどで、一般に広まる場合もある。先生と呼ばれる地位にある人が、自分の先生ではないのに、同僚を先生と呼ぶことがある。これは社会で通例している教職員にたいする敬称であり、各国の呼称システムからみても奇異なことではない。
関連項目: 受験 家庭教師